尿の異臭とは
排尿直後の尿はほとんど無臭です。ところが、排尿直後でも尿が臭うことがあります。これは尿路のどこかに異常が起こっていることを示すサインかもしれません。
一般的な原因として考えられるのは、「尿路のどこかが細菌に感染している」「尿に糖が出ている」「がん細胞が尿に混入している」のどれかです。
いずれにしてもしっかりと治療する必要がありますので、いつもと違う尿の臭いを感じたらすぐに当院までご相談ください。
尿の異臭の原因
細菌感染、糖尿病、がん細胞の3つの原因によってそれぞれ臭いの特徴が異なります。
アンモニアのツーンとした刺激臭を感じるときは、尿路のどこかで感染症が起こっていることが考えられ、主な病気としては腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などが挙げられます。
リンゴのような甘酸っぱい臭いがするときは、脂肪分が分解されて産出されるケトン体が尿に混じっている可能性があります。ケトン体にはアセトンが含まれ、それが甘酸っぱい臭いを出します。糖尿病や脂質不足、激しい運動の後などにこのような症状が生じます。
また、尿にがん細胞が含まれている場合もいつもと違う臭いがすることがあります。
他の原因として、前日に食べたり飲んだりした飲食物の臭いがする場合は、それらに含まれていた香料が人体で分解できない物質であったことが考えられます。一時的なものですので、まず心配はいりません。
尿の異臭の検査
尿は健康状態のサインといいます。尿の異常としては臭いの他に色や泡立ちなどもあります。こうした異常があったときには、一般的に次のような検査を行います。
尿検査
尿検査では濁りがないか、赤血球や白血球が混じっていないか。がん細胞が混じっていないかなどを調べます。細菌や肉眼的血尿や尿潜血の有無のほか、がんの有無も調べます。
採血
血液検査では主に炎症の有無、血糖値やHbA1cなどの糖尿病の状態、腎機能の状態などを調べます。
超音波検査
超音波による画像検査では、尿路のどこかに腫瘍や結石などができていないか、腎臓が萎縮したり肥大したりしていないかなどを調べます。