血尿
血尿には、目で見てわかる肉眼的血尿と目に見えない顕微鏡的血尿に分かれます。
顕微鏡的血尿
目で見えない血尿のため、検診などで尿検査をして初めて気が付くことが多いです。ほとんどの方は、特に問題ない良性血尿です。泌尿器科では、将来不利益をもたらす尿路悪性腫瘍や、尿路結石などが隠れていないか検査を行います。
検査
検尿
赤血球、白血球、タンパク、糖などが含まれていないか確認します。
尿細胞診
尿中に含まれる細胞を確認してもらい、悪性細胞が含まれていないか確認します。(検査結果には、約1週間を要します)
超音波検査
腎臓・膀胱・前立腺などを調べます。膀胱を確認する際、膀胱に尿を溜めてから検査します。
以上の検査で問題なければ、検診などで定期的に診てもらいましょう。問題が見つかった場合は、その病気の検査を行います。タンパク尿があり、泌尿器科的に問題ない場合は、腎炎の可能性がありますので、腎臓内科を受診するようにしましょう。
肉眼的血尿
若年者を除くと、ほとんどの原因が泌尿器科的な問題であることが多いです。特に無痛性の肉眼的血尿は、痛くないからと言って放置せず泌尿器科を受診するようにしてください。
血尿スケール
検査
顕微鏡的血尿と同様の検査に加えいくつかの画像検査などを行います。
CT検査
造影剤を使用して検査する場合が多いです。超音波検査や、従来の静脈性尿路造影と比べると、圧倒的に情報量が多いです。造影剤にはヨード剤を使用しますが、喘息などがある場合は発作を誘発することがあるため注意が必要です。また造影剤は、腎臓に負担をかけるため、使用前に腎機能検査のための採血を行います。
膀胱鏡検査
尿道より内視鏡を挿入し、膀胱・尿道の検査をします。当院では軟性鏡を使用していますので、従来の硬性鏡と比較しますと痛みは少ないです。検査時間は2~3分程度で終了します。
原因疾患
- 尿路上皮癌(膀胱癌・腎盂尿管癌)
- 腎癌
- 前立腺肥大
- 腎動静脈奇形
先天性の腎臓内の血管奇形。その一部の血管から出血し血尿になることがあります。 - 腎梗塞
腎臓の動脈塞栓または血栓で起こる。腎臓の急激な壊死を起こし、側腹部痛を伴うことがあります。 - 糸球体疾患
IgA腎症、溶連菌感染後急性糸球体腎炎、半月体形成性腎炎などがあります。 - 尿路結石
- 出血性膀胱炎
- 特発性腎出血
いろいろ検査をしてもわからないものの総称。症候群です。
肉眼的血尿のように見える尿!
ミオグロビン尿
ミオグロビンは筋肉に含まれていて、激しい運動や、薬などで筋肉が壊れると尿中に出て茶褐色の尿になります。
ビリルビン尿
肝臓機能障害の時に、尿にビリルビンと言う成分が排出されてきます。強いオレンジ色をしています。
濃縮尿
脱水になると、尿が濃くなって茶褐色になってきます。