頻尿
泌尿器科外来で訴えの多いのが「頻尿」です。
昼間の排尿回数が8回以上あるいは、夜間寝ている間に1回でも排尿に行く場合(夜間頻尿)頻尿と言います。しかし、頻尿の感じ方は各個人によって違い、上記以下の回数でも自身が近くなったと感じれば頻尿と考えても良いと思います。頻尿の原因はいろいろな病態や、生活環境などが複合的に絡んでいるため、完全に原因を解明することが困難なことがあります。
頻尿の主な原因
飲水過多
意外と多いのが、この水分の取りすぎです。よくマスコミなどで、水を1日2L以上取りましょうと言っていますが、これには科学的根拠が無いのです。水分をたくさん取ることによって、健康になることもなければ、血液がサラサラになることもありません。過剰な水分は、尿として排出されるか、浮腫みになるかです。さらに高齢者では、心臓に負担をかけることもあります。
内科的疾患や薬剤による尿量増加
糖尿病、初期の腎機能障害や尿崩症などでは、多尿になります。また、医師から処方された薬の中に、利尿作用のあるものがあります。
アルコール・カフェイン摂取
お酒や、コーヒー、紅茶などは利尿作用があり、急激に尿量が増え服用することにより一時的に頻尿になることがあります。
膀胱容量の減少
尿は約200ccを超えてくると尿意を感じてきます。膀胱容量の減少は、この尿意を感じる尿量が少ない状態で起こるものと、排尿後残った尿が多くなり、すぐに膀胱がいっぱいになってしまうタイプがあります。前者は過活動膀胱や膀胱炎・間質性膀胱炎など、後者は前立腺肥大や神経因性膀胱などがあげられます。
心因性
例えばバスガイドさんが「皆さ~ん!トイレ休憩をします。これから先休憩はありません」などと言われると、途端に尿意を感じることはないでしょうか?実際は、ほとんど尿が溜まっていないのに緊張したため尿意を感じることです。どんな人でも、多少この傾向はあるのですが、中には緊張しやすい方がいて習慣的に頻尿を訴える状態を心因性頻尿と言います。
検査
問診
頻尿の状況確認を行い、考えられる疾患を予測します。
検尿
血尿の有無、尿路感染の有無を調べます。
残尿検査
排尿後、どの程度の残尿があるか調べます。
上記基本検査を行い、疑われる疾患の検査に移行していきます